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あっくんとしろえのぐ

 
 きょうは、そとでおえかきです。
 あっくんは、ようちえんのちかくのこうえんにいきました。
「すきなものをかいてくださいね」
 そういって、せんせいは、みんなにどうぐをくばりました。
 
 あっくんは、かだんのおはなをかこうときめました。
 あかのチューリップのまえにすわって、がようしをよういしました。
 あかのえのぐをとりだして、チューリップをえがいていると、
「カタカタ、カタカタ」
 なにかおとがします。
「カタカタ、カタカタ」
 よこをみたら、えのぐのはこがゆれていました。
 ふしぎにおもったあっくんは、ふたをあけてみました。
 すると、なかから、しろえのぐがとびだしてきました。
「やい、どうしておれをつかわないんだい」
 しろえのぐは、がようしのうえにのりました。
「そんなことはないよ、いまからつかうよ」
「ほんとかい」
「うん、あかがすこしこいから、まぜてうすくするんだ」
「だめ、だめ! 」
「えっ」
「おれはいつもほかのいろとまぜられて、もういやなんだ、しゅやくになりたいんだ」
「でもがようしがしろいから、むりだよ」
「いやだいやだ、つかってくれるまでおれはここをうごかないぞ」
 しろえのぐは、まったくうごこうとしません。
 あっくんは、こまってしまいました。
 
「そうだ」
 しばらくして、あっくんはいいことをおもいつきました。
「わかったよ。つかってあげるから、ちょっとまっていてよ」
 あっくんは、あかいろのチューリップをさいごまでぬってから、しろいろをパレットにおとしました。
「ほんとうにつかってくれるの? 」
「いいから、いいから」
 そういって、あっくんは、しばらくじっとしていました。
 
「はやく! いつになったらつかってくれるんだよ」
 しろえのぐは、まっていられなくなりました。
「しっ! しずかにして」
 あっくんは、とつぜん、ひとさしゆびをくちにあてました。
 すると、いっぴきのしろいチョウがとんできて、あかいチューリップにとまりました。
「みててよ」
 あっくんは、しろいろをつかって、あかいチューリップのえに、しろいチョウをえがきました。
「どう、これでしゅやくになれたよ」
「すごいや! しゅやくになれたぞ! ありがとう」
 しろえのぐは、とびあがってよろこびました。
「よかったね」
 あっくんは、ほっとしました。
「うん、またつかってくれよな」
 しろえのぐは、まんぞくそうに、はこのなかにかえっていきました。
 
「あっくん、すてきなチョウね」
 せんせいのこえがしました。
「きょうは、しろがしゅやくなんだ」
 あっくんは、じまんしました。
「そうなんだぁ」
「あっ」
 あっくんはさけびました。
 さっきのチョウが、チューリップをはなれて、きもちよさそうにそらへととんでいったのです。
 あっくんとせんせいは、そのすがたをいつまでもながめていました。
 
 おわり